Saturday, May 9, 2009

減りつづける外国人大学院留学志願者

[Posted on 2005/3/23]

数週間前であるが、NYタイムズに外国人留学生の志願者数に関する記事が出ていた。
どうやら米国内の大部分の大学院で2003年をピークに減りつづけている、とのこと。

(NYT 3月9日記事より抜粋)
・・・昨今のビザ手続きの遅れと自国内、または米国以外での大学院が充実してきたことからアメリカの大学院を志望する外国人留学者の数が減少している。
2003年に最高値をヒットした後、2年連続で減少の一途をたどっている。
特に留学者が多い中国、インドからの留学者に関してはその傾向が顕著である。
Council of Graduate School によると、来年の外国留学生出願者数は5%ダウンと見られている、ちなみに昨年は28%減だった。(中略)
米国内の大学では350000人のundergrad(学部生)の外国人学生に対して、grad(大学院生)は215000人である。そして多くの大学が、とりわけ工学と科学の分野においてTA、RA等アシスタントをgradの外国人留学生に頼っている。(中略)
中国とインドは留学生を多く輩出している国々であるが、昨年比でそれぞれ13%、9%減である。(中国、インド)国内の大学院プログラムが充実してきており、そちらに流れる学生が増えたのと同時に、ヨーロッパ、オーストラリアの大学院からの勧誘も積極的になってきている為である。


では今大学院留学するのは得か損か?と聞かれたら。
勿論年齢や男女の差、などによっても見解がいろいろ分かれるとは思う、が。
もし30歳前後の女性で大学院留学を考えている方がいたら。
私は迷わず留学することをお勧めしたい、と思う。
ただし条件が一つ、これかなり重要。
留学して専攻するものが自分の今までのキャリアの延長線上にあるときに限り、留学はかなりOK

留学後の就職探しも(苦労しないとは決して言わないが)、希望の職種にめぐり合うチャンスが必ずあります。
これは自分自身、現在就職活動をしていて痛感している点です。道のりは決して平坦で楽なモノではありませんが、「いきなり年齢制限で門前払い」ということがないのでとりあえず面接をしてもらって自分の希望や現在のスキルと会社が求める人材が合致するかどうか話し合う機会が何度もあります。
例えその会社と「ご縁」がなかったとしても、そのような話し合いを様々な会社と重ねることによって現在市場が求めているもの、自分のどこが市場から評価されているか、そして何が現在の自分に足りないか、が明確になります。そして足りない部分を切磋琢磨してまた売り込みに行く・・・という好循環が期待できます。

ただし法律上(あくまでもby Lawね)では人種や性別、年齢で就職の採用差別をしないことになっているアメリカ就職事情ですが、そんなことありません。
実際に何社か遭遇したことがあるのですが、人種で採用をより分けていると思われる会社はありました。
最初は自分の英語力不足なのかと思いましたが、こちらで生まれ育った(つまり英語がネイティブ)非白人系クラスメートや先輩等に聞いても同様の扱いを受けたと言います。
中にはかなり大きな賞を受けた人間や学校で最優秀の成績をとった人もいて、彼らはその会社以外からは採用をもらっていました。
勿論その会社と本人の相性が合わなかったといえばそれまでなのですが、部署がすべてアングロサクソン系で占められている状況を見ると疑問をもたざるを得ません。
雇用者側も心得ているもので、非白人は採用しないがあくまでも表向きの不採用理由は「現在はあなたの望むポジションが空いていない」なのです。

まぁただ、ぶっちゃけなところそういう会社にゴリ押しして無理に入ってもお互いに居心地悪いと思うけど、一日の半分を一緒に過ごすわけだからやっぱり会社も求めてる、あなたも求めてるという両思いのところにいくべきだと思うのです。
無理は続かない、そう例えて言うなら

バリキャリスタイルな自立系女性が好きな人の好みに合わせてついていきます系モテ系カワイイキャラを勤めても、やはりどこかで無理が出てきて長くは続かない感じでしょうか(違うか?)。

逆にキャリアチェンジのための留学は、絶対、といってもいいほどお勧めしません。
実はこれで就職にかなり苦しんでいる人、多しです。
雇う側からしてみたら、30歳で未経験のいわば「新人」を雇うわけですからやはり不利です。
加えて昨今のアメリカ景気(雇用なき景気回復)と思いっきり国内雇用保護よりの政策は外部者の参入をより難しくしてます。ブッシュ君の政策は移民にキビシイものばかりなので、何かと外モノがやりにくい政策ばかりがどこどこ登場しています。猫の手も借りたいほどの好景気であれば、ビザの手続きがあろうが、多少スキルが足りなかろうが職の口はあるかもしれませんが、残念ながら現在はそのような状況ではありません。
「留学したら、海の向こうに渡ったら、何か新しい私が見つかるような気がする」、といった「青い鳥願望」がかなう確率が高いのは、おそらく20代前半まででしょう。
このような状況下における大学院留学というのは、あくまでも己の実力を強化する場所とすべきであって、一発逆転を狙う場所ではない、ということを十分認識したほうがいいっす。絶対!


とえらっそうですが、現在渦中である者の立場から書かせていただきました。
(いや、ホントにキャリアチェンジで苦労している人多いんだってば、嘘じゃないって)